今回、兵庫県における「漁港での釣りは、禁止なのかそうでないのか?」
その真相を解明するために色々調べてみました。
いろいろリサーチするうえでたどり着いたのが、「漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)の公表について」という内容の水産庁の公式サイトでした。

水産庁は、漁港での釣り利用について適切なルールやマナー、安全対策を整備し、漁業との共存や地域経済の活性化を図るため、「漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)」を作成しているようで、趣旨としては、
漁港では、岸壁を利用する一部の釣り人の垂らした釣り糸が航行する漁船に巻き付き航行の障害になったり、漁業活動への支障になっているほか、立ち入り禁止区域への侵入による危険行為、ごみの放置、無断駐車などのマナー違反によるトラブルが発生しています。
一方で、漁港での釣りは、漁村地域への交流のきっかけとなり、家族連れで来訪することで地域水産物にふれあう機会となり消費拡大に寄与している側面もあります。このことから、「海業(うみぎょう)」の取組として位置づけ、漁港は漁業の根拠地であり漁業活動による利用が優先されるとの前提を踏まえ、漁業活動との調和を図りつつ推進することで、漁村における賑わいや所得向上、雇用創出につながることが期待されます。
本ガイドライン(案)では、現在漁港を釣りに活用している事例の調査や、有識者や関係団体、漁港管理者等のご意見を踏まえ、漁港の利用ルール、マナー確保対策、釣り人の安全確保対策、漁港の釣り利用による所得・雇用の創出方策等について考え方を示すものです。
ということで、これらの問題を協議したPDFが公表されていました。
・漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)概要(PDF : 433KB)
・漁港における釣り利用・調整ガイドライン(案)(PDF : 8,173KB)

ガイドラインの本文は、ページ数も多いので内容を、釣り場Navi的に解釈して以下のようにまとめてみました。
漁港での釣りを楽しむためのルール
漁港は漁業者が仕事をする大切な場所であり、安全かつ快適に釣りを楽しむためには、適切なルールを守ることが必要です。
漁港での釣りを長く楽しむためにも、以下のルールをしっかりと守りましょう。1. 基本ルール
漁業との共存を意識する
- 漁港は漁業優先:漁港は漁業者が漁を行うための施設です。釣りは許可された範囲でのみ行いましょう。
- 漁船や漁具に配慮:漁船の出入りや作業を妨げないようにし、漁具に絡まないよう注意する。
- 漁業者の指示に従う:漁業者や管理者が「このエリアでの釣りは禁止」と言った場合は指示に従いましょう。
2. 安全対策
事故を防ぐために
- ライフジャケットを着用する:特に波の高い場所や子ども連れの場合は必ず着用。
- 転落防止対策を行う:柵のある場所で釣る、危険な場所には近づかない。
- 天候をチェック:強風や高波の時は釣りを控える。
- 夜間の釣りは特に注意:明るいライトを持参し、視認性を確保。
3. マナーを守る
他の利用者への配慮
- ゴミは必ず持ち帰る:釣り糸・釣り針・エサの残りも適切に処理。
- 騒音を出さない:大声での会話やスピーカーで音楽を流すのは避ける。
- 漁港の設備を大切に:柵やベンチ、トイレなどを壊さない。
- トイレの利用を確認:漁港にはトイレがない場合があるため、事前に確認。
4. 釣りルールと規制を守る
地域ごとのルールを確認
- 漁港ごとの釣り可能エリアを事前確認:漁港によっては釣り禁止エリアがある。
- サイズ・数量制限を守る:地域の漁業調整規則で魚のサイズ制限がある場合がある。
- 禁止漁法を守る:一部の漁港ではサビキ釣りやカゴ釣りが禁止されていることも。
5. 施設の利用ルール
周辺環境に配慮
- 駐車場のルールを守る:無断駐車をせず、指定された場所に駐車する。
- 周辺住民に迷惑をかけない:深夜・早朝の車の出入りは静かに。
- 釣り場の清掃を心がける:帰る前に自分の周囲を確認し、清潔な状態にする。
6. 地域経済の活性化に協力
地元の産業を応援する
- 地元の直売所や市場を利用する:新鮮な海産物を購入することで地域経済に貢献。
- 釣り場の利用料がある場合は協力:漁港によっては管理費として料金を徴収する場合がある。
漁港での釣りを楽しく続けるために
ルールを守ることで、漁港での釣りを安全に、そして長く楽しむことができます。
マナーを守り、釣りを通じて地域との共存を図りましょう!
PDFの内容は「漁港では釣りを禁止する」というものではなく、適切なルールを守れば釣り利用は可能 であることを前提にしています。
なので正当化する理由というわけではないのですが、一応に「漁港での釣りは可」という解釈で良いようです。
ただし、以下の点を理解することが重要です。
1. 漁港での釣りは無条件に許可されているわけではない
漁港の本来の目的は「漁業活動の拠点」であり、漁業者が優先される(PDFの「前提条件」より)。
そのため、漁業活動を妨げるような釣りは認められない(例:漁船の進路妨害、漁具への釣り糸の巻き込みなど)。
釣りが許可される漁港やエリアがある一方で、禁止される場所もある。
これは都道府県や漁協ごとに異なるため、事前確認が必要。
2. 漁港ごとに異なるルールがあり、適切な管理が求められる
安全確保のための基準が明確化されていないため、漁港管理者が釣りの受け入れをためらっている現状がある(PDFの「はじめに」より)。
漁港によっては、釣りエリアのゾーニング(立ち入り制限区域の設定)が必須である。(PDFの「利用範囲の設定」より)。
ルールが整備され、管理体制がしっかりしていれば釣りを認めることができる(例:平塚漁港や姫津漁港の事例)。
3. 漁港で釣りを楽しむためには、ルールを守ることが重要
- 安全管理(転落防止対策、救命具の徹底など)
- ゴミの持ち帰り、駐車マナーの遵守
- 漁業者との共存意識を持つ(作業の妨げにならないよう配慮)
- 地域経済への貢献(直売所の利用など)
結論として
このガイドラインは「漁港での釣りを完全禁止」するものではなく、適切な管理のもとで釣りを認める方向性を示しています。
ただし、漁港ごとにルールが異なり、すべての漁港で自由に釣りができるわけではない。
釣り人がしっかりマナーを守ることで、漁港での釣りが継続的に許可される可能性が高まる。
すべての漁港で釣りが出来ない訳ではなく、
ただ、一部のルールを守らなかったり
漁港に対して危害や損害を与える者も少なからずいる・・・。
なので、仕方なく漁業組合で釣り禁止のルールを作った。
これが実情ではないかと思います。
だって漁業関係者からしたら、普通に仕事してるだけなのに、外部の者が来るとこうなってしまう。
うざいだけですもんね・・・。
現状の問題点
- ルールを守らない釣り人の存在
・漁船への仕掛けの引っ掛け、漁業者の作業妨害
・ゴミの放置、無断駐車、トイレの使用マナーの悪さ
・立ち入り禁止区域への侵入 - 漁業者とのトラブルが増加
・漁業者側は「本来の漁業活動に支障が出る」「トラブル対応の負担が大きい」と感じる
・トラブルを避けるために、漁港全体で釣り禁止にするケースが増加 - 安全管理の問題
防波堤や消波ブロックでの転落事故が発生しやすい
漁港管理者は「安全対策をするコスト」がかかるため、全面禁止のほうが費用もかからず時間も奪われないで済む。
自分たちでもそうなりますよね・・・。
この状況を改善するには?
- 適切な管理体制を構築
・釣りが可能なエリアを明確にする(ゾーニング)
・釣り人自身がルールを守る文化を作る(マナー啓発)
・釣り団体や釣具店、地域と協力しあって、釣り人によるマナーアップ促進に努める - 釣りを禁止せず、地域経済の活性化につなげる
・釣り客が地域の市場や飲食店を利用することで、地元経済に協力・貢献する
昔からずっとやってきていることもありますが、もっと意識的に強化できればと思います。
特に、物価上昇と地域の売上低下というスタグフレーションを思わせるような一面も実際に見かけるようになってきているのも実情です。
上記の内容は、全国規模の事例ですが、
兵庫県でも「遊漁のルールとマナー 」というページがあります。

このサイトでは、漁港内での釣りに関して言及はしていないですが、その中でも、
5. 地域限定の独自のルールがある場合は、そのルールを守りましょう
漁業者が遊漁者と一緒に漁場や水産資源を利用していくため、地域限定の独自の遊漁ルールを決めている場合があります。地域限定の独自のルールがある場合は、そのルールを守ってください。
各地に釣りをする際のルールがあります。
これらについても知らない人たちが殆どだとは思うので、釣り場Naviとしても、もっと認知してもらわなければと思うところはあるので、今後の課題にできればと思います。
今回の「漁港での釣り」に関しては、曖昧さも残る情報なので引き続きリサーチしてゆくとともに漁港の関係者のお話を聞いて取材していこうと思います。
また、釣り場Naviを応援していただいている方々からも、本サイトやSNSを通じて有益な情報も頂いているのでとてもありがたく思います。
この場をお借りして、感謝するとともお礼申し上げます。
ありがとうございます!
もっとしっかりした情報を配信していければと思いつつ、漁港に関しても引き続き調査して紹介していきますのでよろしくお願いいたします。